前回に引き続き看取りの話です、今回は私の家内の話です。私の看取り希望は「できれば自宅」ですが、家内は「絶対病院!!」です。

第一の理由は「家族に迷惑をかけたくない!!」です。よくあるパターンですね。絶対に私の世話にはなりたくないそうです。

そうであれば病院でなくても施設でよさそうですが、だめだそうです。理由は本人にもよくわからないそうです。病院の方が安心なのかとも思いましたが、そうではないようです。施設入所するよりもっと元気なうちに看取られたいようです。(私より長生きしたいそうですから、完全に矛盾しています。)家内の希望はかなえられるのでしょうか?

地域包括ケアシステムは非常に広くて深い複雑な概念ですが病院に限って言えば割と簡単な話です。なるべく在宅で生活してどうしても必要な時に、必要な機能を持った病院にできるだけ短期間入院する。というものです。地域医療構想と言うものがあり、病院ごとに自分のところはどんなタイプの病院なのかを、都道府県に届け出るのようになっています。どのタイプであれ、なるべく早く患者さんを退院させるよう努めることになっています。

病院のタイプとはどんなものでしょうか?ある日突然意識がなくなって倒れたらどうしましょうか?救急車で「急性期病院」です。もし脳の血管が血の塊で詰まっていれば早速、高度な技術で血の塊を溶かそうとするでしょう。脳の血管からのひどい出血であれば、開頭手術かもしれません。1秒遅れれば命にかかわります。脳に詰まった血の塊をすぐに溶かすことができれば、後遺症は残らないかもしれません。そうなれば退院して元の生活に戻ります。

一命をとりとめて、ある程度安定しても、後遺症があればリハビリテーションが得意な「回復期病院」へ転院となることが多いと思います。退院後は自宅から通院か?施設入所か?もし継続的な医療が必要であれば、長期入院が可能な「療養型病院」と呼ばれる病院もあります。(実際にはもう少し細かい分類です。)

家内の理想はこのように、倒れて治療中に家族が駆け付けたものの、意識が戻らずご臨終。といったイメージのようです。この間、よく「生きるならやってほしいけれども死ぬのならやめてほしい。」といわれる、様々な治療が施されると思います。意識がないからよいのだそうです。私の理想よりはかなり現実的です。ただし脳梗塞の場合、死亡率は15%程度ですからなかなかの狭き門です。現在の高度医療ではそう簡単には看取られないようです。

いくつまで生きたいのか聞いてみましたが、歳は関係ないそうです。末娘の子どもの顔が見られたらいつでもよいと即答しました。(普段はしばらく考えてあなたが死んだ後と答えていたのですが・・・)

「ちょっと豆知識」

介護支援専門員。言わずと知れた介護保険のキーマンです。私はずっとケアマネージャーと思っていましたがケアマネジャーが本当でした。普段はマネージャーとは言いますが???

介護保険ではリハビリテーションマネジメント、栄養マネジメント、などとマネジメントという言葉は使いますがマネージメントやマネージャーとは言わないそうです。