光トポグラフィー




検査(主治医の先生向け)

光トポグラフィー検査は、主治医の先生方の確定診断の補助としてご活用いただく本来の目的に沿って、先生方が検査適用と判断される患者さんに対して施行いたします。

光トポグラフィー検査(NIRS)

患者様から光トポグラフィー検査のご相談や希望がございましたら、以下の適用疾患にもとづき検査に適用とご判断いただいた場合は、大変お手数ですが、当院宛に「光トポグラフィー検査依頼書」をFAXもしくは郵送でお送りいただきますようお願い申し上げます。

NIRSイメージ

写真提供:株式会社日立製作所

当院へ「光トポグラフィー検査依頼書」到着後、患者さんから直接お電話いただければ検査日程など調整させていただきます。なお、ご不明な点などがございましたら、ご遠慮なく以下へお電話ください(TEL092-871-2282 ※平日9:00〜17:00)。

なお、当院では国内で最も実績のある日立製作所の製品を使用しております。以下の「光トポグラフィー検査のご案内」については、日立製作所提供の資料や写真データに基づいてご説明いたします。

Near-Infrared Spectroscopy; NIRS

光トポグラフィー検査は、2009年(平成21年)に厚生労働省から先進医療として承認を受けた技術で、近赤外線を利用して前頭葉や側頭葉における脳活動状態の変化を測定します。それらの反応パターンの違いで、健常者相当、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症などにほぼ分類することが可能なため、確定診断の補助として活用されています。

光トポグラフィとは、近赤外線スペクトロスコピィ(near-infrared spectroscopy ; NIRS)のことで、近赤外線が生体を通過する際にヘモグロビンより吸収されることを活用して、生体の血液量を非侵襲的に測定する方法です。この方法は頭皮から2~2.5㎝の深さの脳血流量の変化を比較的簡易にとらえることが可能です。
光を頭皮に照射すると、光は頭部のさまざまな組織を散乱、吸収されながら伝播していきます。光トポグラフィによる脳機能検査では頭皮に戻ってきた一部の反射光を検出し、照射光と検出光の値から脳活動に伴う相対的な血中ヘモグロビン濃度の変化を測定します。

「光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断」における実際の検査では、標準的な課題として言語流暢性課題のひとつであるLFT(文字流暢性課題)が用いられ、被験者は音声が指示する一文字と頭文字が同じ単語をできるだけ多く発語していただきます。機器のモニターには、課題開始前、課題中、課題終了後の、前頭葉や左右側頭葉の脳血流をリアルタイムで示す波形データが表示され、波形の特徴によって健常者相当・大うつ病性障害・双極性障害・統合失調症の分類が概ね可能です。

現段階では70~80%の精度で前述のいずれの可能性が高いかを示唆する結果が得られたと報告されています。

[ 光トポグラフィ装置の原理 ]

図提供:株式会社日立製作所

参考:光トポグラフィ装置:ヘルスケア:日立 – 日立製作所

装置の特徴を簡単にまとめると以下のようになります。

  1. 非侵襲性で、繰り返して測定しても生体への有害な影響がありません。傷を負ったり、痛みや熱さを感じたりすることもなく安全性が高いといえます。
  2. 帽子型の装置をかぶるだけなので、装着が簡単です。
  3. 一般的に座って測定しますが、立位や臥位でも測定が可能です。

光トポグラフィー検査の有用性については、以下の3点があります。

  1. ヘモグロビンの濃度変化を可視化できるという「客観的な指標」を有します。
  2. 患者さんやご家族が理解しやすい視覚的な説明が可能になることで、病状への理解が促進されます。
  3. 日立製作所の資料による、現在約70~80%の精度で健常者相当、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症のいずれの可能性が高いかを示唆する結果が得られたと報告されています。

光トポグラフィーについては、精神科ではうつ病状の鑑別診断の補助としての臨床応用が進められていますが、その他の科でもの以下のような臨床応用が進められています。

  • 脳神経外科…言語優位半球の同定、てんかんの焦点測定。
  • リハビリテーション科…理学療法、作業療法、言語聴覚療法等の効果を評価。
  • 小児科…乳幼児、ADHD(注意欠陥多動障害)などの計測。
  • 神経内科…認知症

ちなみに、昨今は医療系以外の応用分野として、ロボティクス(リハビリ応用含む)、学習効果の評価、快・不快の計測などの研究にも活用されています。

現在、光トポグラフィー検査に関する先進医療実施施設として登録されている医療機関は以下の病院があります。
東京大学医学部附属病院、国立精神神経センター病院、慶応義塾大学病院、東京都立松沢病院、山口大学医学部附属病院、琉球大学医学部附属病院、大分大学附属病院精神科など全国約70の医療機関。
これらの医療機関では「一般外来」「専門外来」「検査入院」として運用されています。

Inspection

2014年(平成26年)4月1日より、光トポグラフィー検査は「抑うつ症状の鑑別診断の補助」の保険適用となり、さらに2016年(平成28年)4月より前述の保険適用における施設基準が変更になりました。

参考:厚生労働省HP

しかし、保険適用の施設基準のハードルは高く、当院のような一般精神科病院ではその基準を満たすことは難しいのですが、当院は厚労省の定める規定による国立精神神経医療研究センターの光トポグラフィー検査研修を修了した、精神科医と臨床検査技師が常勤しております。よって、同様の検査を行うことは可能となっており、当検査における本来の主旨を遵守し適切に運用しております。
また、当院では前述の理由より、光トポグラフィー検査自体の費用は発生いたしません。通常の初診料と心理検査などの診療報酬を費用として算定させていただいております。詳しくは、後述の「費用」をご確認ください。

光トポグラフィー検査は、あくまでも主治医の先生の問診による診療に加えて、確定診断の補助として役立ていただくことを目的として運用しています。
よって、患者さんに対しても、この検査は診断を自動で判定したり精神疾患の有無を確定したりするものではないことをアナウンスしております。当然ながら患者さんから診断の証明などのご要望がございましても、一切対応いたしておりません。
また、当院はセカンドオピニオン外来を開設していませんので、検査当日に当院医師から直接診断に関するコメントを申し上げることはございません。
光トポグラフィー検査の結果は、同時に施行させていただいた心理検査(ハミルトンうつ病評価尺度)と併せて、ご紹介いただいた主治医の先生に後日お送りいたします。検査結果につきましては、主治医の先生の総合的なご判断のもと、ご本人・ご家族へお伝えいただきますようお願い申し上げます。
当院は昨年11月の日本うつ病学会の声明の主旨を遵守し、本来あるべき光トポグラフィー検査を施行してまいります。

  • うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症の症状があり、治療中の患者さん。
  • うつ病の治療を行っている患者さんで、治療抵抗性があること、双極性障害(躁うつ病)・統合失調症を疑われる症状を呈するなどにより、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症の鑑別が必要性な方。

※ただし、脳気質的疾患(頭部外傷、脳腫瘍、脳梗塞、アルツハイマー病等)の方は対象外になります。
※16歳から70歳までを対象としますが、20歳未満の方は両親などの同意が必要です。


  • 自死の危険性が切迫している方
  • 暴力をふるうなど他人を傷つける恐れがある方

また、初回外来時に担当医師が病状や状態によっては対象外と判断する場合がございますので、その点についてはあらかじめご了承ください。

当院の光トポグラフィー検査外来の実施日は、以下の通りです。

当院の光トポグラフィー検査外来では、それぞれの患者さんのために適切な治療方針を決定していただくために、当院臨床心理士による心理検査(ハルミトンうつ病評価尺度)もセットしたかたちで実施しています。
当日の検査にかかわる所要時間は約120分となります。

ご紹介いただいた主治医の先生へ2つの検査結果をお送りしますので、総合的なご判断いただき、患者さん・ご家族へのご説明をお願いいたします。
なお、主治医の先生からのご依頼があれば、別の日にその他の心理検査を追加することも可能です。その他の検査内容は、主治医の先生のご指示で承ります。その場合は、検査内容によって別途費用が生じます。


  • バウムテスト
  • ロールシャッハ法
  • SCT
  • WAIS-Ⅲ

当院の基本的な検査内容(専門医の問診と検査説明+光トポグラフィー検査+心理検査)の費用は、5,500円(医療費の自己負担が3割の方)です。
なお、以下の場合は、無料で再検査を行います。

  • ご本人が極度に緊張されたため、結果が判読不能な場合
  • 周囲の環境に影響されやすいデリケートな機器のため、まれに不具合が生じ判読が難しい場合など
椅子にゆったりと座ります

椅子にゆったりと座ります。

検査用帽子をかぶります

検査用帽子をかぶります。

つぎに、「え」で始まる言葉を言ってください

‘始め’の合図で「あいうえお」をゆっくり繰り返してください。

‘始め’の合図で「あいうえお」をゆっくり繰り返してください

次に、「え」で始まる言葉を言ってください。

つぎに、「え」で始まる言葉を言ってください

最後にもう一度「あいうえお」を繰り返し言っていただきます。

以上で検査は終了です

以上で検査は終了です。

参照:「NIRS波形の臨床読本」中山書店

専門医の先生方が患者さんに光トポグラフィー検査の必要性を感じられたり、患者さんがこの検査を受けることを希望された場合は、次の流れで進めてください。なお、ご不明な点などがございましたら、ご遠慮なく以下へお電話ください。

予約・相談専用

光トポグラフィー予約専用

書類ダウンロード

主治医の先生は「光トポグラフィー検査依頼書」をダウンロードし、必要事項をご記ください。

主治医が油山病院にFAXを送る

紹介元の医療機関(主治医の先生)から、当院へお電話と依頼書のFAXまたは郵送をしていただきます。

電話をかける

検査ご希望のご本人から直接当院もしくは光トポグラフィー予約専用ダイヤルにお電話いただき、「光トポグラフィー検査の予約」とお伝えください。

スタッフが診察日時の調整をしている

地域医療連携部の看護師や精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー)がご希望の日程を調整いたします。

FAQ

当院では、光トポグラフィー検査に関する皆様のご質問には、以下のように対応しております。ご参考まで、内容をご確認ください。

今の診断や治療に


納得がいきません


まずは、そのことも含めて主治医へよくご相談ください。かかりつけ以外の病院やクリニックのセカンドオピニオンを利用される方法もありますが、当院は残念ながら現在のところセカンドオピニオンに対応いたしておりません。あらかじめご了承ください。

休職するために、光トポグラフィー検査で


病気を証明してほしいのですが…


この検査は診断を自動で判定したり、精神疾患の有無を確定したりするものではありません。申し訳ございませんが、この検査で病気を証明することはできませんので、ご希望には沿いかねます。

主治医に相談したくない
検査依頼書はどうしても


必要ですか?


当院は検査を必要とされる方に受けていただくことが望ましいと考えています。ご自身だけで判断せずに、検査を希望していることを率直に主治医の先生に相談されてはいかがでしょう。検査依頼書自体は簡便な書式になっていますので、あまり先生のお手をわずらわせることはないと思いますが、依頼書記入そのものより検査の対象として該当する方か否かの判断は重要なことです。ですから、主治医の先生にご相談いただくことは大切です。当院では、現在治療中の方については必ず主治医の先生から検査依頼書をいただく方針です。

検査結果をその場で聞くことはできませんか。


判読に時間を要しますので、その場での説明はいたしかねます。また、検査結果はご紹介いただいた主治医の先生にお送りしますので、結果については主治医の先生におたずねください。

主治医から検査結果が「判断に迷う」


という報告だったと聞きました
期待していたものと違っていたと思いました


この検査は、現在も研究段階にあります。現段階では70~80%の精度で診断の手かがりとなる結果が得られています。残りの20~30%は判断に迷うケースもあります。その際は、「判断に迷う」という表現を使用しています。

光トポグラフィー検査の


治療効果や


今後の治療法を


教えてください


光トポグラフィー検査を行うことで症状が改善することはありません。主治医の先生がこの検査結果を参考に総合的な判断をなさって、今後の治療方針が決まります。今後の治療については主治医の先生におたずねいただき、よりよい方向に向かわれることを願います。