端から脱線で恐縮です。高齢者地域支援事業というものがあります。福岡市の事業で「地域における高齢者の課題を地域住民自らが見つけ、解決する話し合いの場(高齢者地域支援会議)を設ける。」となっています。ここでいう地域とはどの範囲でしょうか?

地域包括ケアシステムでは「住み慣れた地域」というのがキーワードの一つです。「30分圏内」という言葉もありますが、これは歩いてということで、中学校区のことです。地域包括ケアシステムでは中学校区を一つの基本単位として考えています。

これはなかなか、びっくりぽんです。(わたしは元PTA会長で今は青少年育成連合会の会長です。)「地域といえば小学校区でしょう。」福岡市には小学校区ごとに公民館があり自治協議会がありますがこれは福岡だけらしいのです。「秘密のケンミンSHOW」で取り上げるような話です。全国、とりわけ政令指定都市では小学校区ごとというのは大変に稀でほとんど中学校区ごとに地域があるそうです。

ベーシックモデルでは市町村があって中学校区があって個人です。福岡市ではほとんどの中学校区に地域包括支援センター(いきいきセンター)を設置しており個人、小学校区、中学校区それぞれをカバーしています。そして地域ケア会議を開催して個人の課題とその解決、小学校区の課題とその解決、中学校区の課題とその解決を図ります。個人に課題があるように地域にも課題があります。そして博多区、早良区など7つの区ではいきいきセンターから報告される地域課題を集約して区の課題を見つけ解決方法を考えます。これが最終的には福岡市の課題とその解決へとつながっていきます。「地域ケア会議」も地域包括ケアシステムの大事なキーワードです。

どんどん話がそれました。私の住む野芥校区では「野芥のこれからを考える」として高齢者地域支援事業に取り組みました。「最後まで安心して暮らせる元気な野芥校区」を目標に4つの大きなプランを立てました。大変な力作で自慢のプランです。プラン作成の過程でたくさんの学びもありました。そのうちの一つが「要介護や認知症になっても暮らせる地域を目指そう」です。

ところがある日「認知症の人は本当に地域で暮らすことができるんだろうかねえ?」という投げかけがありました。この素朴な投げかけは私の喉に引っかかった小骨のようになりだんだんと大きくなっていきました。すみません。今回は前段で終わってしまいました。