引き続き、福岡市の取り組み。

なんだかんだとバタバタしている間に半年近くが過ぎ平成30年も終わってしまいました。さて、「福岡市の取り組み」の続編です。ちょっぴりでも私がかかわっているものもありますのでその部分のお話です。

ユマニチュードのおはなし

ユマニチュードはフランス生まれのコミュニケーションの技法です。応用される対象は幅広いのですが、福岡市では認知症の方への対応にマッチングするということで普及に努めています。福岡市は地域の自治体単位での取り組みは「世界初!」ということで様々な試みをしていますが、一般住民のみならず児童にもユマニチュードのプログラムを提供しています。

今回、私は福岡市と居住する地域である野芥小学校のそれぞれの関係者にかかわり研修実施のお手伝いを少しだけさせていただきました。

野芥小学校における児童向けユマニチュード研修会では、前半は認知症サポーター養成のキャラバンメイトで当施設職員が「認知症サポーター養成講座」の講師を担当させていただき、認知症への理解を深めていただきました。さらに後半はユマニチュードインストラクターの方が「ユマニチュード研修」を担当され、具体的に認知症の方とどのようにかかわればよいかを学習していただきました。

研修終了後、校長先生から高い評価をいただき、児童のアンケートの結果も良好でした。

認知症にやさしいデザイン

ユマニチュード以外にも認知症の方を意識した取り組みを感じられるのはデザインのことです。やさしいデザインは、万人に優しいデザインです。私は知らない場所によく行きますが、トイレがわからずとても苦労することがあります。ところがトイレを済ませて出てくると確かに表示はしてあります。初めての場所では見つけにくいものですね。認知症の方でもわかりやすいデザインは、私のようなおっちょこちょいにも優しいデザインなのだなぁと思います。

だれにも分かりやすい認知症のガイドブックづくり

さて、時折一般的な地域の方とお話ししていると、「認知症の方」は、まったく何もわからない人」と思われる方が多いように感じます。実際はある日突然「何もわからない」ということはなく徐々に進みます。認知症になりそうな状態であれば、うまくやれば健康な状態に戻せることも珍しくありません。進行する病気ですが、これも上手に対応すれば進行を遅らせることができます。もっと言えば認知症は軽くても不安でたまらない方もいらっしゃれば、認知症が進んでもサポートがしっかりしていて穏やかにその人らしく生活されている方もいらっしゃいます。そのようなことをより多くの皆様に理解していただくガイドブックも必要だなと思います。

互助、共助

専門的にいうと「地域包括ケア」という言葉がありますが、そんなに難しく定義せずとも、日々の中で私たち一人ひとり、そして地域も、病院・施設も、行政も、大学や企業もみんなで知恵を出し合い、力を合わせる必要がありそうですね。