MCTとは? 最近では芸能人にも愛用者が多いためご存知の方も多いかと思います。 MCTとは中鎖脂肪酸(炭素数が8~12個程度の脂肪酸)100%の油のことです。代表的なもので言うとココナッツオイルです。一般的な調理油は長鎖脂肪酸(LCT)が主成分で、体内の吸収経路が異なります。LCTは小腸からリンパ管や血管を通って脂肪組織や筋肉に運ばれますが、MCTは小腸から直接門脈という血管を経由して肝臓に入ります。効率よくエネルギーに使われることになります。
長年、医療現場では腎臓病患者さんや高脂肪食を必要とするてんかん患者さんの食事に利用されていましたが、最近ではさまざまな栄養効果が判明し幅広い領域で活用され始めました。一部ご紹介します。

【MCTとグレリン】
グレリンは胃から分泌されるホルモンで、MCTと結合すると活性化して食欲亢進作用、成長ホルモン刺激作用、体重増加作用に効果があると言われます。MCTの摂取により活性型グレリンが上昇するという報告もあるため、低栄養の方への活用が期待されています。

【MCTと認知症】
アルツハイマー型認知症では脳のエネルギー源であるブドウ糖がうまく利用できなくなっています。MCTは効率よくエネルギー源になり、ブドウ糖の代替エネルギーとして働くケトン体の産生も期待できることから、認知症の予防や症状の改善についての可能性の期待もあるようです。

このように、これから私たちは栄養素の質についても考え、栄養管理していくことが大切であると考えます。