11月16日に当院患者さんの家族会「あけぼの会」の定例会を4階多目的ホールで行いました。あけぼの会は当院患者さんの家族会です。総会や定例会を定期的に開催しています。
今回は、当院副院長の川久保善宏先生に「統合失調症について」と題して講演いただきました。冒頭に有名なエドワルド・ムンクの絵画『叫び』がスライドで紹介されました。ムンクは30歳頃(1890年代:『叫び』を描いた頃)から統合失調症の先駆症状があり、40歳頃(1900年代)から被害妄想の発展があったのではないかということを病跡学などのフィールドで推測されています。ムンクは絵を描いた当時のことを日記に「突然、空が血のように赤くなり、少し重苦しい気分になった」「まるで、いつまでも終わることのない鋭い叫びがあらゆるものを貫いていくかのように聞こえ、不安のために震えながら私は一人で立っていた」と記しています。病気によって怖い思いや刺激に対してのストレスを感じていたのがわかります。
統合失調症は100人いれば1人弱はかかる病気で、原因ははっきりとはわかってないことや、症状や入院後の予後の長期的な経過を説明。そして精神科治療の歴史もお話しいただきました。統合失調症において、本人が病識を持つにいたるまでの難しさ、投薬の重要性などが分かる内容でした。
最後に、ご本人も辛い病気ですが、関わる家族や治療者も「自分の健康」を大切にすることを忘れないようにしましょう、サポートしている自分をほめながらリフレッシュする時間を作るようにしましょうと呼びかけれました。 講演の後は質疑応答、休憩をはさんでグループを作り懇談会が行われました。