理事長ご挨拶

理事長 三野原義光の写真

法人の成り立ち

1749(寛延2)年、三野原文菴(ぶんあん)が現在の福岡県糟屋郡篠栗町に小さな医院を開業したのが、泯江堂(みんこうどう)の始まりです。その後、その子孫はのちに黒田藩々医となり、また華岡青洲門下で修業するなど刻苦勉励し今日まで代々医を業としてまいりました。
そして九代目となる三野原敏治は、新たな精神科医療の息吹を感じとり、1962(昭和37)年、ここ福岡市早良区野芥の地に油山病院を開設致しました。
泯江堂が開設されて270年余、油山病院が開設され60年、創設者の先取の気質は現代の法人職員にも脈々と受け継がれ、病いを持つ方々に寄り添い、共に人生を歩んでいくことを理想として最新の精神科医療・高齢者医療に果敢に挑戦し続けております。

精神科救急・急性期医療、精神療法・精神科リハビリテーションの理想を求めて

さて、現代の精神科医療においては治療法や向精神病薬の進化によってその期間は劇的に短くなっております。特に近年は非定型抗精神病薬クロザピンやm-ECTなどによって重度難治性の統合失調症患者さんも比較的短期で退院するケースが多くみられます。当院では地域の精神科救急・急性期のニーズにお応えし、患者さんに質の高い精神療法と精神科リハビリテーションの提供を行うことで早期退院を目指しております。
さらに退院後も安心して在宅生活や社会生活が送れるように、通所(精神科デイケア)や訪問看護(病院併設)などのサポートを行っております。

認知症リハビリテーションへの挑戦

当院に蓄積された抱負な知識と技術を基に、たとえ認知症を発症しても可能なかぎり穏やかでその人らしい時間を過ごしていただくために、認知症対応型の老人保健施設を1997(平成9)年に開設致しました。精神科医療において認知症の周辺症状を緩和し、併設の老健施設では認知症リハビリテーションを行う。この2つのコラボレーションの質を高めることによって、認知症の患者さんとそのご家族の心に寄り添えるようこれからも努力を重ねてまいります。

地域連携によるより効果的で最適な治療環境の提供

「施設から人へ」「入院から在宅へ」。これからは、一つの医療機関ですべての治療やリハビリを完結する「点」としての治療ではなく、さまざまな医療機関や施設が手を取り合って一人の患者さんに寄り添い、患者さんのその時の容態に合わせた適切な医療をチームで提供する、という「面」の治療を行っていく時代になりました。また、地域住民の方々との密接なコミュニケーションや連携がなければ理想の医療が行えない時代になってきています。
医療法人泯江堂は、さまざまな関係機関と力を合わせて地域住民の皆様に安心で安全な医療を提供することを目指すとともに、心の病をもつ方々が一日でも早くご自宅で健やかな生活が送れるよう、職員一同ベストのチームワークを発揮できるようこれからも努力してまいります。

医療法人泯江堂 理事長 三野原義光

理事長プロフィール

精神科医、精神保健指定医、日本精神科医学会精神科臨床専門医、日本精神神経学会精神科専門医、日本精神神経学会精神科指導医、認知症サポート医
埼玉医科大学卒業。福岡大学医学部精神医学教室入局、西園昌久名誉教授に師事。福間病院、いぬお病院を経て1996年福岡大学医学部精神医学教室助手。1999年油山病院医局長、2002年油山病院院長、2007年医療法人泯江堂理事長就任、油山病院院長を兼務し精神科急性期および精神科救急病棟を導入。2020年4月より理事長職に専念。

院長ご挨拶

油山病院院長 入澤誠の写真

丁寧な診療を心がけ最良の精神科医療を提供します

油山病院は開設60年を迎える精神科病院です。2002年より現理事長のもと運営を進め、現在は①精神科救急・急性期治療・精神科リハビリテーション ②認知症の治療・リハビリテーション ③地域連携によるより効果的で最適な治療環境の提供 ④地域活動への様々な参画を柱に力を注ぎ病院運営を行っております。
昨今、我が国の医療を取り巻く環境は医療費削減へと舵取りが行われ、厳しい環境下での運営を強いられることが続いております。精神科医療も同様のことがいえると思います。入院においては急性期治療に重きを置く一方で長期入院を防ぎ地域で暮らす利用者の方々のための医療体制の構築がより求められています。また、高齢化が進む中、認知症を含めた高齢者の精神疾患の治療にも力を注がねばなりません。そのため、それらを強みとする医療を実践していく必要があると考えております。
2020年8月より当院では精神科救急病棟の取り組みだけでなく精神科急性期病棟における入院治療にも対応しています。救急病棟では重篤な精神疾患の方が対象となりますが、入院の依頼がある方の中には救急でない治療対象者の方々も大勢おられます。たとえば気分障害圏の方の休養入院、パーソナリティ障害の方の危機介入や治療への導入、治療抵抗性の統合失調症の方のクロザリルへの導入、統合失調症の方のLAIの導入、向精神薬の減量、減薬などが急性期病棟への入院目的として考えられます。
また、高齢者の入院治療において、3か月の救急あるいは急性期病棟入院後、在宅復帰が困難な方の場合は当院併設の介護老人保健施設への入所と短期リハビリテーションを組み合わせた治療・支援が行えると考えております。
今後、こういった新しい取り組みを行いながら従来からの当院の方針である「24時間365日精神科の急患対応」「安心安全な精神科総合医療の提供」を引き続き行って参ります。すべての治療において多職種との連携を大事にしたチーム医療の実践に力を入れ、患者さんやご家族との出会いを大切にしながら丁寧な診療を心がけ最良の精神科医療を提供していきたいと考えております。 今後も各関係機関、関連病院、地域の病院、クリニック等とより一層の連携を図り、地域の皆様や医療関係者の方々のお役に立てる最良の精神科医療が行える病院を目指して参ります。

油山病院 院長
入澤 誠

院長プロフィール

福岡大学医学部卒業。福岡大学医学部精神医学教室入局 西園昌久名誉教授に師事し力動的精神療法・精神科リハビリテーションを学ぶ。福岡県立大宰府病院(現福岡県立精神医療センター大宰府病院)、伊敷病院(鹿児島市)勤務を経て1999年福岡大学医学部精神医学教室助手・デイケア医長 2002年油山病院勤務、統合失調症の治療・リハビリテーション、勤労者のうつ病・復職支援などに取り組む。2020年4月油山病院院長に就任。