11月26日、市内の精神科病院が連携して運営する「多職種で考える精神科臨床の会(一般講演・特別講演の2部構成)」の本年度第2回目が、WEB形式で開催されました。
一般講演では、油山病院多目的ホール会場より当院看護部看護係長の今村全宏看護師が「当院の救急病棟について~現場看護師の視点から~」をテーマにお話しさせていただきました。まず当院救急病棟の役割として福岡市西南地区および近郊の精神科の急患に対応すべく24時間365日の運営を行っていること、その特徴は修正型電気けいれん療法(mECT)を有効に活用し安全で効率的な病棟運営が実現できていることにあることを述べました。ちなみに救急開始(2018年6月)後の入院患者は約1.3倍、2019年度のmECT施行は1,094件に上ります。その運営を支える主な取り組みは、毎日の朝昼の常勤医師とのミーティング、細やかな行動制限最小化のためのカンファレンス、退院調整会議、退院前訪問などの多職種によるチーム医療を重視していることにあります。また、看護師の視点から身体疾患をかかえる患者増に伴い身体科と精神科のアセスメントが求められることが看護の質を向上させることにつながっている、より一層の業務改善と教育指導の徹底を行っていく必要性を感じていることを告げました。
その後の特別講演「統合失調症の薬物治療と集団療法について」は久留米大学医学部神経精神医学講座の内野俊郎准教授により日々の精神科デイケア活動観察による貴重な お話をいただきました。
今後もこのような学習機会をもち、患者さんに最適な安心・安全な医療をお届けできるよう努めてまいります。