10月の法人学習会では、「医療安全対策(講師:藤村医療勤務環境マネジメント研究所 藤村 徳一氏)」について学びました。
本日の講義の主な内容として、

  1. 日本医療機能評価機構による医療事故情報収集事業
  2. 安全な医療を提供するための10の項目
  3. 安全管理関係医療法
  4. 危険ストーリーポイント分析、事例等
  5. 人、もの、施設:医療機器、今日からできる日常安全点検等がありました。

医療事故情報の収集は、有用な情報を共有することで、医療安全対策の推進を図ることと、発生予防、再発防止を促進することが目的とされているそうです。普段、記載している「ヒヤリハット報告」も内容を十分に精査し、職員間で情報を共有することが最も重要であると再認識させて頂きました。
また、安全な医療を提供するための10の要点も、各部署で決めた標語を共通認識として捉える。それが医療事故防止へと繋がることも学びました。ハインリッヒの比率を用いて、重大な事案を出さないように一人一人が自分事として考える必要性も十分に理解しました。医療機器が関与した事故原因は、医療機器の安全設計の問題とそれを使用する医療スタッフに起因する事故と大別されるとのことで、医療機器の保守点検や整備はもちろんのこと目視のみの確認をしないことや、ダブルチェックの方法を用いるなどヒューマンエラーをなくす努力も怠ってはいけないと思いました。
そして最後に私が一番印象に残ったことは、「患者さんや入所者さん、そしてご家族との日頃からの信頼関係がまずは大事」ということです。患者さん自身を管理対象ではなく共同の医療パートナーと位置付けることや、事故が起きたからではなく対応をどうしたかが信頼、不信の分かれ道であると言われていました。相手の立場に立って、思いを汲みとる。日々忙しい業務の中ではありますが、この当たり前のことを常に意識しながら、現場の職員と共有して取り組んでいきます。

法人学習委員会 井上 晶美