精神疾患の症状

今回は実際の精神科訪問看護でのリハビリの内容についてお伝えしていきたいと思います。テーマは「精神疾患に伴う心身の状態でお悩みの方」です。
さて、精神疾患には様々な症状があります。統合失調症では、不安や緊張が高まる、実際にはありえない声や音が聴こえる、周りから見張られているような感覚があるなどの苦痛を感じている方がいらっしゃいます。他にも、気分障害では、意欲低下、気分の落ち込み、自責、何も楽しめない、気分に波があり辛い、など症状は多岐にわたります。そのように症状が出て苦しいと感じている方に対し、当ステーションでは症状安定に向けての以下のような援助を行っています。

精神症状の安定に向けた具体的な援助

作業療法活動

人間の脳は意外と単純な部分もあり、一度に一つのことしかできないところがあります。例えば、運動会の短距離走で、自分の列がスタートの順番を迎えるまでは、ドキドキしたり、「転んだら恥ずかしいな」「ビリにはなりたくないな」などと、不安な気持ちが頭の中を支配したりするかもしれません。ですが、スタートの合図があり、走り出すとどうでしょうか?さっきまでの考えはどこかへ消え去り、走ることだけに集中してしまうものです。そのため、作業療法活動には、日々の様々なストレスや症状に悩む方々に対して、その方に合った適切な作業を提供し、一緒に活動を楽しんだり、集中し取り組んだりすることで症状から距離をとる役割もあります。また、現実的な目の前の作業(刺激)には、症状から身を守るシェルターの役割もあると言われています。そして、その中で新たな楽しみの発見や、自分らしい充実した有意義な時間を増やすことも目的の一つとなっています。
(注)ここでいう「作業」とは、日常行為におけるすべての行為を指します。すなわち、食べること、働くこと、運動すること、遊ぶこと、寝ることなどのすべての行為です。

心理教育

心理教育とは、自身の疾患に対して正しい知識と、その対処法を学ぶものです。発病率や主な症状、その原因などを知り、薬の効能と副作用について、ストレス対処について学習していき、疾患との正しい向き合い方の習得を目指していきます。

認知行動療法的アプローチ

人生の中では様々な出来事が起こりますが、人間はその出来事に対して色々な感情や考えを持ち、それに沿った行動を起こしています。ですが、起こった出来事に対して、感情や考えを持つ前に、その出来事をどのようにとらえたか?(どのように認知したか?) という工程を挟んでいます。認知行動療法では、その認知の部分に焦点を当て、まずは自分の認知の特徴(とらえ方の癖) に気づいていくことから始め、そこから、より幅広い視野を持ち、柔軟な思考の習得を目指します。また、行動面に対しても行動上の問題に焦点を当て、どういった行動が適切かを考えた上で、実現可能な治療目標を立て、実行することで問題を解消していく療法です。

ご高齢の方へのアプローチ

加齢とともに、認知機能の低下や身体的には筋力低下を気にされる方に対して、脳トレ・体操・ストレッチ・散歩・趣味活動などを行い、適度な刺激や運動を取り入れることで、自分らしく生き生きとした生活が送れることを目指していきます。