当院の看護部では、年間に複数の看護学校から実習生を受け入れています。現在(2021年度および2022年度)、コロナウイルス感染防止により現場での実習は中止していますが、今後も積極的に実習生の受け入れを行っていきたいと思っています。
看護学生の実習内容は、主に入院患者さん1名を担当し看護過程に沿ってアセスメントを行い、患者さんを少しずつ理解していきます。その中で看護計画を立案し実施・評価までを行います。また、プロセスレコードを活用しコミュニケーション能力や自己洞察を高める学習を行っています。
その他にも、

  • 各種勉強会(薬物療法、医療相談、作業療法 等)
  • デイケア体験
  • ロールプレイ
  • PICU見学

等様々な学習を通して、精神科医療における看護師の役割を理解していただけるように講義や体験を多く取り入れています。

最初は“怖い” “薄暗い”といった印象を持った学生も多いですが、担当する患者さんと共に目に見えない障害に向き合い、毎日少しずつお話を続けていくことで、患者さんの抱えている苦痛だけでなく、健康的な側面にも気づき、実習が終わる頃には学生との別れを惜しむ患者さんもいらっしゃるほど関係を深められる学生もいます。実際に実習に来て、患者さん達とお話をしていく中で精神科への印象は大きく変化すると思います。

私が精神看護学実習で一番学んでいただきたいと思っていることは、疾患の理解や薬剤の知識もそうですが、プロセスレコードを通して自己洞察を高める事、コミュニケーションにおける自分の傾向を知ることが大切だと感じています。患者さんの言葉をどのように捉え、どんな言葉を患者さんに伝えるのか、患者さんとの会話一つ一つを振り返る機会はなかなか無いと思います。指導者や先生方と一緒に振り返ることで、今まで気づかなかった自分の傾向が見えてきます。また、学生間で意見交換することでも、より自分の傾向を知る事が出来ると思います。
その他にも、現場で働く先輩看護師を見て精神科看護の視点や患者さんとの関わりを学ぶことも出来ます。症状のある患者さんとどの様にお話をするのか、非自発的な入院をされている患者さん達にどのように関わり治療への参加を促していくのか等、現場には学べる場面がたくさんあります。患者さんと看護師の関わりだけでなく、他職種との関わりにも注目していただければと思います。精神保健指定医や精神保健福祉士、公認心理士等様々な職種が連携し治療が提供されています。看護師も、一番患者さんの近くで関わる職種として他職種の方々と情報交換する姿を見ていただければと思います。

この様に、実習の中で学生の皆さんがより多くの学びを得られるように私たち指導者は実習の手助けを行います。精神科医療における看護の役割を理解し、患者さんだけでなく自分自身を知る事で、今後の看護につなげていただきたいと願っています。

油山病院 看護師 福島 凌