12月6日、「地域で支援を考える会~統合失調症を中心に~」がWEB開催されました。今回は独立行政法人国立病院機構琉球病院のアウトリーチチーム医長の講演と、千葉県の精神科病院である浅井病院のアウトリーチ科の精神保健福祉士および同院の精神科・検査部長の医師の講演がありました。
琉球病院の青野聡先生から「離島から琉球へアウトリーチの実際」と題して、沖縄県の地域的な特殊性を踏まえて、いくつもの離島を巡回して患者さんの診療を行っていらっしゃる実態をご報告いただきました。「精神科」ではなく「こころ科」と変更し地域に親しみやすい標榜を掲げたり、入院施設中心の医療ではなく患者さんの実情に合った診療体制に大きく舵を切ったりしたことなど丁寧にお話しいただきました。
また、浅井病院アウトリーチ科の科長・精神保健福祉士の黒岩賢徳氏からは「当院における精神保健福祉士の役割と訪問診療・訪問看護の現状」について、統合失調症の薬が良くなったことで自宅療養や地域生活が十分可能な状況が生じ、精神保健福祉士・看護師を中心とする訪問活動で患者サポートが出来ていると報告されました。さらに、同院の井上悟先生からも患者さんの社会復帰を目指すうえで腸管を介さない貼付薬や舌下錠などの薬剤の効用について説明を受けました。
統合失調症の方々への薬が改善されたことで、患者自身は地域での在宅生活が容易になり、また医療者側もサポート体制を整えやすくなったことを改めて実感した勉強会となりました。